2006年夏、歩き遍路の旅に出ました。歩き遍路を計画中の皆さん、是非参考にしてください。 下記ボタンをクリックすると個別の日記がご覧になれます。
伊予(愛媛) 菩提の道場26ヶ寺
お遍路二十三日目『伊予はいいよね』
ようやく旅も半分近くになり、
すっかり逞しくなった足は長距離には耐えられるようにはなったけど、
かわりに気持ちがついてこない。
なかだるみというか、テンションがあがらないのだ。
連日の30km越えで、足も疲労の色が見えはじめていた。
マメはようやく回復し、痛みはほとんど無い。
そのかわりに今度は右ヒザに少し異常が発生しているようだ。
しかし、今日はとにかく「愛媛」に突入する区切りの一日だ。
朝6時過ぎに宿を出発。
約3km先の第三十九番札所:延光寺をお参り。
その境内に「眼洗大師の井戸」というものがあり、その水で眼を洗うと眼の病気が良くなるらしい。
視力も回復するとか。
早速、手ぬぐいに水をかけ、眼にあててみる。
効果ははっきりいって、よくわからないね。
次は、第四十番札所:観自在寺を目指す。
相変わらず暑い!
今日はヒザの調子もあるが、体調はあまり良くなかった。
宿毛市内で一旦休憩。
通りすがりのおばちゃんにイチジクをもらう。
イチジクが苦手な僕も、こればかりは有り難くいただきました。
意外に旨い。
今日は一つ気付いたことがある。
人口の多い都市部になればなるほど、挨拶を無視される確率が高くなるということだ。
そういえば徳島市内でも結構無視されたよなぁ・・・。
人の無関心を増幅させる何かが都市部にあるのかなぁ。
この因果関係を誰か説明できる人いますか?
宿毛市から今日は久々に登山!
松尾峠を越えなければならない。
標高300mと高いためビビッていたが、なんてことはない。
一度も休憩せずに頂上まで登りつめる。
僕も成長したなぁ、と嬉しくなった。
頂上に「松尾大師堂」があったので、さっきもらったイチジクをお供えしておきました。
そして、下山し始めて、中腹にさしかかった時、ハッと気がついた。
「ここはもしや愛媛では?」
慌てて地図を取り出すと、やっぱりもう愛媛県に入っていた。
実は、松尾峠の頂上が県境だったのだ!
この瞬間を何日も前から心待ちにしていたのに、あっけない形となってしまった。
「そうか・・・、もうここは愛媛なのか・・・。」
と呟き、今更遅いが
「愛媛に突入したぞぉぉー!!」
と、誰もいない山中で大声で叫ぶ。
土佐の国から伊予の国へ。
やっと実感がわいた。
そして、須藤元気も言ったという、あのダジャレを呟く。
「伊予はいいよね」
そして、14時前とちと早いが今日は宿へ。
充電も必要です。
宿の自転車を借り、近くの「一本松温泉」に日帰り入浴。
やっぱり自転車は早いねぇ。
久しぶりに歩き以外で移動し、感動してしまう僕なのでした。
お参り:第三十九番札所
延光寺
歩いた距離:20km
歩いた時間:7時間
お遍路二十四日目『爽快!南宇和の海!』
今、24時間テレビでアンガールズの二人が
100kmマラソンをしているのを見ました。
この100kmマラソン、一体何の為にやっているのだろうと僕はいつも思う。
しきりに徳さんが「感動をみなさんに!」とか言ってるけど、
これで感動するものなのだろうか?
自分も毎日歩いているのでわかるが、
人間の体は24時間で100km走れるようにできていないと思う。
やっている本人達は悲愴感が漂っているように見える。
いつまで走ってもゴールが見えない感覚。
辛いと思う。
確かに必死に頑張る姿に応援したくなる気持ちも湧くが、
走者の体を酷使しマラソンをさせている制作側のエゴではないだろうか。
さて、昨日体力を温存したので今日は5時半に出発。
朝方は秋の訪れを感じさせるほど、涼しい。
第四十番札所:観自在寺に7時半に到着。
お参りを済まし、すぐに歩き始める。
「今日は調子がいいぞ!」
この後、ルート選択を迫られた。
標高400mを越える柏坂越えルートか、
距離が若干長いがゆるやかな国道ルートか。
分岐点までに決めようと思っていた。
その分岐点に着いても、まだ決心が固まらない。
「とりあえず休憩しよう」と、バス停で30分昼寝。
涼しい風が吹き抜け、思わず熟睡してしまった。
目覚めた時、もう僕のテンションは下がってしまい、
山登りをできる状態ではなかったため、国道ルートを行くことにした。
なんか負けた気分だなぁ、と思いつつ歩いていると、眼前に南宇和の海!
しかも風が涼しくて、気持ちイイ!
潮の香りもほのかに漂っている。
結果的にこっちのルートで正解だったかな。
しばらく歩いていると、白バイが僕の前で急に停まった。
「オレは何も違反してないよな・・・。」
当たり前です。歩いているんですから。
僕の不安は杞憂に終わる。
この先、トンネルが多いので危険だからと、反射テープをくれたのだ。
これを体に巻き付けておけば、トラックにはねられる心配は無い。
お仕事中にもかかわらず、ありがとうございます。
「何でおへんろをやってるんや?」
「・・・、経営者になりたいんです」
「ほう!っていうとあれか。
10年後にはどこかの会社を買収とかでテレビにでるかもしれんな。
期待しとくわ!」
白バイは走り去っていった。
・・・、おじさん、それは飛躍しすぎだよ・・・。
しかし、南宇和の海はキレイだなぁ。
遠くに見える大陸、あれはもしかして宮崎?
今日は周りを見る余裕があり、いつもより多く写真を撮る。
今まで歩いた距離も600kmを超え、足もようやくできあがってきた。
1日40km歩くことも今ならできるかもしれない。
お参り:第四十番札所
観自在寺
歩いた距離:32km
歩いた時間:10時間
お遍路二十五日目『想定外の峠越え!』
今日は前日夜に入念に計画し、宇和島で寄り道することにした。
宇和島と言えば「鯛めし」!
3日前くらいから食べたいと思っていた。
有名店「月ケ瀬」さんの開店時間は11時。
それに合わせ、朝の出発する時間も遅めだった。
宇和島市内へ向かい、国道56号線を行く。
ここでお遍路に来て初めて交通渋滞に出くわした。
「宇和島は人口が多いんだなぁ・・・。」と、呟く。
そういや、挨拶もかなりの確率で無視されはじめた。
めげないぞ!僕は!
途中、1600mを超える長い「松尾トンネル」を歩く。
排気ガスで死ぬかと思った。
多分、鼻の中が真っ黒だよ。
朝のすがすがしい気分を台無しにされたが、順調に宇和島市内へ入った。
10時過ぎと早く着いたので、宇和島城へ寄り道。
天守閣まで登ってみた。(200円)
最上階から外の景色を覗いてみた。
・・・、たいして景色は良くないねぇ・・・。
でも今年、日本百名城に選ばれたらしいよ。おめでとう。
ぜひとも選定基準を教えて欲しいもんである。
さて、そんなことより「鯛めし」だ!
月ケ瀬さんに行き、鯛めし定食を注文。
味などの詳細は別掲だが、とにかくうまい!
「あぁ、愛媛に来てよかったなぁ」と感動!
腹拵えを済まし、本日はもう全てやるべきことはやった
という感じになっていたが、僕は歩かなければならない。
次は、第四十一番札所:龍光寺。
名前がカッコいいよね。今までで一番かも。
英語で言うなら「ライトニング・ドラゴン」というところか。
寺の中に龍の像とかあるのかなぁ、とワクワクしながら歩く。
寺に到着し、境内を見回したが、それらしきものは見つからなかった。
普通の寺・・・、期待外れ。
先に団体さんがお参りしていたので、ベンチで足をマッサージしながら待っていた。
その団体さんがお参りし終わった後、おばちゃん2人が野口英世を1枚ずつお接待してくれた。
必ずや結願し、皆さんの分もお参りしてきます!
ありがとうございます!
もう僕は自分の思いだけで、お遍路を廻っているのではないのだな、と痛感。
まるでお接待していただいた人々の意志がチカラとなって、
僕の足を、体を、前へ前へと推進していくようだ。
さて、今日の宿は次の第四十二番札所:仏木寺の近くに泊まろうと決めていた。
なんでも2000円で泊まれる善根宿の情報が仏木寺にあるという。
仏木寺に着いたとき、僕は愕然とした。
「その善根宿ってここから結構遠いじゃん・・・。」
困っていると、アイスクリーム屋のおじさんが民宿を紹介してくれたが、
そこも峠を一つ越えたふもとにあるとのことだ。
「今から峠を越えるのかよ・・・。」
と思ったが、背に腹は替えられない。覚悟を決めた。
気合いで歯長峠を90分で越し、宿に着いたのは17時でした。
ホント、想定外だったよ。 疲れたぁ。
お参り:第四十一番札所〜第四十二番札所
龍光寺、仏木寺
歩いた距離:32km
歩いた時間:10時間
お遍路二十六日目『僕がお返しできること』
昨日泊まった「民宿 兵藤」さん。
へんろみち保存協力会の地図には載っていない。
何故かというと、今年の6月から始められたそうだ。
ご主人が定年されてから始められたそうで、部屋も綺麗だし飯もうまい。
一泊二食付きで5000円というのも安いよね。
ここは是非オススメしたい宿である。
前日、宿のご主人の孫娘のれいなちゃん(推定4歳)の遊び相手をする。
僕もこんな子供が欲しいなぁ。
ゼリーをくれたので、代わりに
「キティちゃん お遍路さんVer.」
をプレゼント。
凄く喜んでくれて、バッグにつけるそうだ。
喜んでくれて、僕も凄くウレシイ。
僕はこのお遍路の旅で、お接待されてばかりです。
「今まで受けた恩をどのようにして返していくか」
というようなことを、おへんろさんが宿の自由帳に書いているのを見て、
自分も考えさせられた。
お接待してくれた人々に会う確率もスゴく低いし、
自分がその恩を他の人に、あるいは社会に返していかねばならない、
という気持ちがでてきている。
自分がビジネスをやるにしても、人の役に立つ、
社会に貢献できるビジネスをやりたいなぁと思う。
これは今まで感じたことのない感覚だ。
こういう時、お遍路に来て良かった、って思います。
さて、宿を6時30分に出発した僕は、昨日の想定外の峠越えであまり体調がよくなかった。
第四十三番札所:明石寺に到着。
お参りし、休憩していると
お遍路十九日目の東寺庵で一緒になったK岡君とB川君がお参りにやってきた。
実はあれから、彼らとは何度も道中出会っていて、
歩く日程が結構シンクロしていた。
2人は大学生。
K岡君は今日が最後の日らしい。
大学卒業と就職、がんばってね!
彼らより先に出発し、歩く。
第四十四番札所までは70kmちかく距離があるが、なんとか2日で着きたい。
となると、今日は明日のことを考え、がんばって歩かねばならない。
明日、第四十四番札所を射程圏に入れるには、今日38km歩行が必須である。
無心でとにかく歩く。
「休憩しようかな・・・。」と、思ったところに無料で入れる足湯「臥龍の湯」を発見。
今日はツイてる!
入ると足の疲れが吹き飛んだ。
40分後、出発。
雨がポツポツ降りだしたので、セルフのうどん屋で遅めの昼食。
うどん屋から出ると、K岡君とB川君とバッタリ。
この先の「十夜ケ橋」で2人は泊まるつもりらしい。
「十夜ケ橋」というのは、昔、お大師様(空海)が橋の下で野宿したとき、
寒いし、腹ペコだし、橋の上を通る人の杖の音がうるさいしで眠れず、
わずか一夜がまるで十夜の長さに も感じられたことから、つけられた名前らしい。
空海も人の子だと、親近感が湧くよね。
そこから10km先の宿になんとか着いた。
「龍王温泉 龍王荘」
カッコいい名前だよね。
ラスボスがいそうだ。
まぁ、普通の国民宿舎みたいだったけど。
お参り:第四十三番札所
明石寺
歩いた距離:38km
歩いた時間:10時間半
お遍路二十七日目『壮絶!雨中の峠越え!』
今日は厳しい旅路になると思っていた。
第四十四番札所:大宝寺まで30km以上、
距離がある上、峠を2つも越えなければならないからだ。
宿がないので仕方ありません。
前日の夜に、龍王温泉に入り、連戦の疲れを癒したが、朝の目覚めはよくない。
5時過ぎに起き、テレビの天気予報を見る。
今日は松山周辺は雨らしい・・・。
さらに条件が厳しくなった。
不退転の決意で6時前に出発。
サンクスで朝食を買う。
しかし、四国はサンクスがホントに多い。
セブンイレブンは徳島市内からずっと見ていないので、かなり店舗が少ないと思う。
ローソンもよく見かけますか、サンクスほどではありません。
以上、四国のコンビニ事情でした。
サンクスを出てから、霧雨が降ったり止んだりで天気はよくない。
だがその影響でかなり涼しいので、
このままの状態が続いて欲しいと願う僕であった。
道中、お腹がピーピー言いだした。
山中であったため、周りにトイレが無く困った。
仕方無く、民家のトイレを借りる。
おばあちゃん、ホントに助かりました!
ありがとうございます!
体が軽くなった僕は、再び歩き出す。
人気の無い山の中の舗装された県道をずっと歩くのだが、
なんだかツマラナイので大声で歌を歌いながら歩く。
結構気持ちがイイもんです。
曲はSMAPメドレーがヘビーローテーション。
2つある峠のうち、最初の峠にさしかかった時、
バケツをひっくり返したような豪雨が突然降りだした!
しかも、雨宿りする場所もない。
戻ることもできない。
覚悟を決めて、ひたすら前進することにした。
そのうち、山道に入り、豪雨の影響で登り坂に雨が流れ込んで、滝のようになっている!
「オイオイ、大丈夫かよ・・・。」
と思ったが、ひたすら登る。
靴はもうグショグショ・・・。
ポンチョの中にも雨水が浸水している。
もちろん誰も助けてくれる人はいない。
大変な修業の一日となった。
最初の峠を登り切ったところで、
人気の無い民家の軒先で休憩させていただくことにした。
雨はまだ降り続いている・・・。
雨に濡れ、寒気がしたので着替えをして雨が止むのを待つ。
40分後、小雨になり再スタート。
靴が濡れ、テンションが上がらない。
しかも、2つめの峠の山道は、エラいことになってるんだろうなぁ、
と少し心配になった。
予想どおり、山道には水が流れ込み、歩きにくかったが、気合いでクリア!
今日は歩いた距離の数字以上にしんどかったなぁ。
早く道後温泉に行きたいよぉ・・・。
お参り:なし
歩いた距離:34km
歩いた時間:9時間半
お遍路二十八日目『限界突破?雨中の修業!』
今日も昨日に引き続き修業の一日となった。
一日中、雨。
そういえば、お遍路に来た当初は快晴が続き、灼熱地獄だったため、
「雨が降ってほしいなぁ」
と願ったものだが、今となっては
「晴れないかなぁ」
という気持ちでいっぱいです。
人間というのは、ワガママな生き物ですよね。
これも、お大師様(空海)が試練を与えているのだ、と解釈し忍耐で歩こう。
連日の30km歩行にも関わらず、足の状態は相変わらずいい。
完全に足ができあがったようだ。
マメも完治し、痛みもない。
若干、右ヒザに違和感があるが、サポーターをして歩くと問題ナシ!
サポーターは、靴下を切ったものを使用。
これ、まさに生活の知恵。
昨日泊まった宿は、「民宿 笛ケ滝」さん。
食事はキジ料理で大満足!
キジって、なかなか見ることできないですよね。
宿のご主人が育てておられるようです。
お昼用のおにぎりも接待していだたきました。
是非、オススメしたい宿である。
宿は、第四十四番札所:大宝寺の近くであったため、
今日は6時40分と遅めのスタートとなった。
納経所が7時にならないと開かないので、止むを得ません。
第四十四番札所に到着し、お参り後、
納経所に行くと時間が早すぎることを毛嫌いされたのか、
おばちゃんの対応がよくなかった。
僕は全てのお寺で300円を払い、
納経をしていますがそういった人の筆にご利益や、
念のようなものがこめられているとは到底思えない。
納経することの意味を考えさせられた。
休憩する間もなく、再スタート。
今日は第四十六番札所まで行くことを目標にしているのだ。
第四十五番札所:岩屋寺へ向かう。
ここで大変な目にあった。 説明しよう。
歩き始めたときは、雨は降っていなかった。
舗装された県道から、へんろ道(山道)の看板が出ていたので、
何気なくそのへんろ道を選択。
それが失敗だった。
アップダウンが激しく、足元も悪い。
しかも、クモの巣天国。
極め付けは、道を間違え、へんろ道から外れてしまう。
行き着いたところは、崖崩れが起きていた。
そこで初めて道を間違えたことに気がついた。
その刹那、大雨が降りだす。
このときはさすがに、お遍路に来て、MAXにイラついた。
というか、頭に血が登り、我を忘れ、
「オイ!!!ふざけんなよ!!!」
と思わず大声が出る。
その声が山中にこだまする。
しかし、怒ってはいけない。
これは修業なんだ、と自分に言い聞かせ、なんとかへんろ道に戻る。
やっとの思いで第四十五番札所に着いたとき、
雨に濡れているのか、汗をかいているのか、
わからないがとにかく、体中ビショ濡れだった。
境内へ駆け込み、本堂で雨宿りしていると、一組の団体さんがいらっしゃった。
「大変やねぇ」
と、皆さんから同情のお言葉をいただく。
その中の一人のおばちゃんが、
「私、若い子でこんな大変なことしてるのを見ると、涙でてくるわ・・・。」
と、涙ぐんでおられた。
僕も今こんな大変な目にあって、違う意味で泣きそうです。
そのおばちゃんは、野口英世を3枚もお接待してくれた。
さすがに申し訳ないという気持ちが出る。
ありがとうございます!
お参り後、納経所に行くと
「やぁ、お疲れさま!」
と、見たことのある人物が。
「あ、あなたは・・・」
そうだ!思い出した!
昨日、道中であったお遍路さんだ!
あれ?お坊さんの服を着ている。
なぜ?
「このお寺は、僕の家がやらせていただいているんですよ」
そうだったんだ・・・。
で、あなたは修業のためにお遍路をしていたというわけですか。
出会いというのは面白いなぁ、とつくづく思う。
そして、第四十六番札所へ向かい歩きだす。
また、一つ峠を越えなければならないのだ。
そこでさらに雨足が強くなる!
なんとか峠を越し、今度は下り。
もうアスファルトが川みたいになって、下へ向かって流れてるよ。
「もう、どうにでもしてくれぇぇ・・・」
どこからか流れてきたのか、アスファルトの上にカニがいっぱいいる!
踏まないようにしなきゃね。
やっと宿に着いたとき、僕はこのお遍路の旅で初めて「寒い」と感じるのであった。
お参り:第四十四番札所〜第四十五番札所
大宝寺、岩屋寺
歩いた距離:39km
歩いた時間:10時間半
お遍路二十九日目『成長を感じた日』
今日は松山市内へ入り、念願だった道後温泉に入る予定だ。
道後温泉までは13km程度なので、朝は8時出発と遅めだった。
第四十六番札所:浄瑠璃寺の門前の宿「長珍屋」に泊まった昨日は、
久しぶりに8時間以上の睡眠がとれた。
朝は体が軽い。
時間はたっぷりあるので、お寺をゆっくり回ろうと決めた。
実は、道後温泉までの道中にお寺が6つも固まっているのです。
浄瑠璃寺は、お寺は小さいがいろんなものがあって、興味深かった。
特に「仏足石」。
足の形が石に掘られていて、そこを裸足で踏むと、
「健脚、交通安全」にご利益があるらしい。
早速、靴下を脱いで乗ってみる。
昨日の雨で濡れていて、石が冷たい。
どうか、この旅を無事に終えることができますように・・・。
第四十七番札所:八坂寺、第四十八番札所:西林寺とお参りしていくが、
こんなに落ち着いた気持ちでお参りできているのは初めてだ。
普段は歩き疲れと、なにか焦ったような気持ちでお参りしていたように思う。
お経を読むにも、今日が一番心をこめることができたように感じた。
この気持ちを忘れてはいけない。
第四十九番札所:浄土寺へ向かう途中、大勢の小学生にでくわす。
そうか、今日は始業式でした。
まだ浦島太郎状態が続いています。
今日から9月。
そういえば、朝は涼しく秋の気配がしている。
このまま、涼しくなってくれるといいのだが。
第五十番札所:繁多寺をお参りし終わった後、
デジカメのデータが一杯になったのでCDに焼いてもらいに、フジカラーのお店に入る。
「15分くらいで、できると思います。」
と、店員さん。
それくらいなら待たせてもらうことにした。
しかし、30分経っても一向にできそうにない。
そこでいつもの僕なら、イライラしてしまうところだが、
何故だか今日はそういった気持ちは起こらなかった。
「申し訳ないです」
との店員さんの言葉にも
「大丈夫です。気にしないでください。」
との言葉が自然と出た。
今までは心に余裕がなかったのかもしれない。
お遍路を通して、心が浄化されたのだろうか。
何か、自分が一回り成長できたような気がした。
同時にこの気持ちを絶対に忘れないようにしようと心に誓うのであった。
第五十一番札所:石手寺をお参りし、近くのユースホステルへ。
ここから、道後温泉は近い。
荷物を宿に置いて松山市内へ。
無料の足湯があったので、寄り道して入る。
横にいたおばちゃんに何気なく話しかけたら、
トークが白熱し、小一時間も話してしまった。
そのおばちゃんは松山市内へ帰るというので同行することにした。
実は、松山市内で鯛ソーメンを食べたかったんです。
路面電車に乗る。
そのおばちゃんは親切に、自分が降りる駅ではないのに、
一緒に降りてくれて店まで案内してくれた。
ホントにありがとうございます!
鯛ソーメンの味などは別掲だが、あまり感動はなかったなあ。
残念。
その後、いよいよ念願だった道後温泉に入る。
感想などは別掲だが、特別感動はなかったなあ。
何か、松山の印象が
「感動はなかったなあ」
という風になってしまったのは、期待が大きすぎたせいだろうか・・・。
お参り:第四十六番札所〜第五十一番札所
浄瑠璃寺、八坂寺、西林寺、浄土寺、繁多寺、石手寺
歩いた距離:13km
歩いた時間:6時間
お遍路三十日目『LONG LONG JOURNEY』
今日でお遍路30日目。
早いもので、四国に来て約一ヵ月が経つ。
振り返ってみれば、早かったような長かったような・・・。
旅はもう三分の二を過ぎている。
もう少し自分自身と向き合う時間を持って歩かねば、と思った。
いろんなことを感じ、学ばせていただいているが、
まだ肝心な事がつかめていないような気がする。
今日は松山ユースホステルを6時に出発。
松山市はさすがに都会でした。
昨日の夜、Tシャツとジャージ、サンダルでアーケードを歩いたら、
ういていてかなり恥ずかしかった。
なめてました、松山市を。
やはり、この旅では世俗に戻らない方がいいと思った。
都会であるせいか、朝の挨拶は相変わらず無視されまくり。
松山市にあまりいい思い出がなかったなぁ、と思いつつ歩く。
昨日から右足の親指が痛い。
28日目の雨中の峠越えの際、下りで岩に足をぶつけてしまったのだ。
どうも爪のところが膿み始めているようだ。
歩を進めるが、歩く毎に痛みが走り、今日はあまりテンションがあがらなかった。
第五十二番札所:太山寺に到着。
お参り後、境内で休んでいると、掃除しているおじさんがポカリスエットをくれた。
ありがとうございます!
その後、山門を出てジュースを買おうと立ち止まったとき、おばちゃんが
「アイスコーヒーでも飲むか?」
と、お接待してくれた。
素直にご好意に甘えることに。
そのおばちゃんいわく、
「家族の健康はご先祖様が与えてくれるもんや。子宝もそうやで。
そやから、これからお参りするんやったら先祖供養も付け加えたほうがええで」
と、アドバイスしてくれた。
次に、第五十三番札所:円明寺に到着。
境内に入ると、すぐ脇に座ってハガキに絵を書いている人がいた。
聞けば、八十八ヶ所を廻りすべての寺の絵を書いているらしい。
なるほど凄く上手。
ポストカードをお接待でいただく。
大事にします。
ありがとうございます。
第五十三番札所を出発し、歩き始めると久しぶりに海に出た。
瀬戸内海だ!
海の向こうにはすぐ島が見えたためか、
雄大な感じではなく、僕は湖のような感じがした。
瀬戸内海もいいが、どちらかというと僕は、
室戸や足摺岬で見たような海の向こうには何も見えない雄大な海に心ひかれます。
坂本龍馬も万一瀬戸内海側に生まれていたら、あれほどの人物にはならなかったのではないでしょうか。
足が痛いので、今日は距離をのばさず、セーブすることに決めた。
時間があるのでちょっと遠回りして、「道の駅 風早の郷 風和里」へ寄ってみたが、これが大失敗。
今日は土曜日で観光客だらけ。
また世俗に戻ってきてしまった。
休憩も買い物も満足に出来ず、すぐに出発する羽目になりました。 トホホ・・・。
お参り:第五十二番札所〜第五十三番札所
太山寺、円明寺
歩いた距離:30km
歩いた時間:9時間半
お遍路三十一日目『最近よく道に迷います』
昨日の宿「コスタブランカ」
一泊二食付で5000円と超安い。
しかも、食事がうまい。
食後にアイスコーヒーも出してくれて満足、満足。
是非オススメしたい宿である。
僕は、この旅ではあまり宿にハズレがないように思う。
朝6時半に出発した僕は迷っていた。
今日、40km程度歩くか否か。
歩けば宿の調整に都合がいいのである。
だが、そんな迷いは足の痛みによってすぐに断ち切られた。
足が痛くて40km歩けないからだ。
30km先の第五十八番札所:仙遊寺の宿坊に泊まろうと軌道修正。
今日は、時間をかけてお参りをしっかりやろう。
第五十四番札所:延命寺に向かう途中、
おばあちゃんがリポビタンDをお接待してくれた。
ありがとうございます!
愛媛県今治市を歩く。
ここはタオルと造船の町らしいね。
そういわれてみれば、タオルの工場が多い。
中国の安価なタオルに押され、廃業したところがずいぶんあると聞いたことがある。
頑張れ!今治市!
第五十四番札所をお参りし、休憩していると、団体さんが何組も入ってくる。
今日は日曜日なので特別多いようだ。
第五十五番札所に向かう途中、足の痛みが最高潮に!
たまらず、第五十五番札所に着くやいなや、靴下を脱いで患部を見てみる。
膿が飛び出していた。
痛みをこらえ、約40分かけて膿をすべて出す。
すると・・・、不思議だ!痛みが消えた!
気分の良くなった僕は、第五十五番札所:南光坊をお参りし、次に向かって歩き出す。
今日は久しぶりに暑いなぁ。
午前中は秋の気配がしているが、午後はまだ夏まっさかりのようだ。
こんな時は、「夏の日の1993」by class を歌いながら進む。
第五十六番札所:泰山寺に到着し、納経所のおばちゃんに
「今日、58番に泊まるんですけど時間はどれくらいかかりますか?」
と聞くと、
「あぁ、あの山見えるじゃろ?一番上の白い屋根が58番じゃ」
・・・・、ん?
もしかして、あれですか?
山の上にかすかに見える白い屋根。
あんなに遠いんスか?
距離的には6kmなのに・・・!
こりゃ、モタモタしてると17時までに着かないぞ。
急ぎ足で第五十七番札所:栄福寺をお参りした後、第五十八番札所へ向かう山道で道に迷う。
なんてこった!
時間をロスし、超焦る。
最近、道に迷うことが多くなった。
困ったもんだ。
なんとかリカバリーし、正式ルートへ戻る。
山の上に第五十八番札所:仙遊寺はあるのだ。
最後の坂道をヒィヒィ言いながら登る。
なんとか16時20分に到着。
今日は時間に余裕のある日のハズなのに・・・。
納経所の人に
「山道で迷っちゃいましたよぉ。よく迷う人いるんじゃないですか?」
と聞くと、
「・・・・、あんまりいないですね。」
と、冷たく一言。
なんだか寂しい気持ちになった。
迷ったオレって、一体・・・。
仙遊寺の宿坊はスゴイキレイでビックリ!
お風呂はなんと天然温泉!
山の上にあるので眺めもイイ!
ゆっくり休むことができました。
お参り:第五十四番札所〜第五十八番札所
延命寺、南光坊、泰山寺、栄福寺、仙遊寺
歩いた距離:30km
歩いた時間:10時間
お遍路三十二日目『真の朝のお勤めとは・・・』
今日は、真の朝のお勤めを体験することができた。
第二十六番札所:金剛頂寺での朝のお勤めが
おそまつであったのとは対照的にかなり本格的であった。
朝6時に本堂に集合し、靴を脱いで本堂の中で正座。
住職が正装で出てこられ、お勤めが始まる。
お経を読むにしても、周りのお坊さんとの息もピッタリ。
正座で足が痺れているが、心を空にしてお経を聞く。
これだよ!これ!
僕の思い描いていた朝のお勤めというのは!
最後に般若心経を全員で読経。
何かまた心が洗われた気持ちになる。
6時30分にお勤めは終了し、住職のありがたい説法が始まった。
前日のおかみさん言われていたが、ここの住職は数々のお寺の中でも
有名だそうだ。
おへんろを世界遺産にしようという活動を先頭に立って
推進されているらしい。
ただ、各寺、88ヶ所にもそれぞれの考え方があり、一枚岩ではなく、
なかなかうまくいってないとのこと。
おへんろというのは確かに四国全体で取り組む壮大なものであり
是非とも世界遺産になってほしいと思う。
真言宗の本場:高野山は世界遺産なんですがね・・・。
住職は29歳から39歳までの10年間このお寺に丁稚奉公をし、
現在に至っているとのことだ。
師匠の勧めで、29歳までは会社勤めをしていたらしい。
上には上がいると思い知らされた。
僕は25歳で会社勤めを辞め、北海道の牧場で数年の丁稚奉公をしたが
相当辛かった。
一人前には扱ってもらえず、奴隷のような日々・・・。
今考えると、妙なプライドがじゃましていたのかなぁ。
住職のようにそれが天職だという考えで取り組むと辛いとも
思わないのだろうか。
ここには書ききれないが、ありがたいお話は30分にも及んだ。
解散した後に、立ち話をしていると須藤元気の話になった。
彼もここに泊まったらしい。
住職は空手をやられているそうで、一緒に組み手をしたという。
彼と住職は朝のお勤めの後、2時間話し続けたらしい。
住職いわく、
「彼は頭が切れる人間でね。自分の選手生命がそう長くはないことを
知っている。彼はいつか政治家になりたいという思いを話してくれたよ」
僕は須藤元気がますます好きになった。
がんばってほしいと思う。
住職!ありがたいお話ありがとうございました!
さて、7時過ぎにお寺を出発した僕は歩き始める。
何か、朝のお勤めのおかげでスカッとした気分だった。
第五十九番札所:国分寺に到着。
ここでお寺の人に「なんで国分寺は88ヶ所中、4つもあるんですか?」
と聞かなきゃいけなかったのに、忘れてしまいちょっと後悔。
今日は、第六十番札所:横峰寺が山の上にあり、距離があるので
その山のふもとの第六十一番札所:香園寺の宿坊に泊まることにした。
少し変則的な廻り方だが仕方ない。
第六十一番札所へ向かう途中、時間があるので「道の駅 今治湯ノ浦温泉」 で朝食兼昼食をとる。
そこでまた、お世話になった人達への残暑見舞いのハガキを書く。
書いていると、食堂のおばちゃんがスイカをお接待してくれた。
ありがとうございます。
昼過ぎに出発し、第六十一番札所に着いたのは16時前だった。
今日はゆっくり休み、明日の横峰寺への登山に備えよう!
お参り:第五十九番札所、第六十一番札所
国分寺、香園寺
歩いた距離:24km
歩いた時間:8時間半
お遍路三十三日目『お大師様が与えてくれた修業』
当初は第六十番札所:横峰寺からさらに上に登り、四国最高峰の石鎚山への登山を考えていた。
だが、今回はあくまでお遍路であるため、取りやめた。
しかしながら、横峰寺までも大変な登山である。
朝食を6時に済ませ、6時30分に出発。
荷物は香園寺に預かっておいてもらったため、体は軽い。
香園寺の門前で朝のウォーキング中の初老のご夫婦に出会う。
行く方向が同じなので、途中まで同行。
いろいろ話し、毎日日記をつけていることを話すと
「美人の奥さんに出会った」と書くように要請があった。
ハイ!書いておきましたよぉ。
別れ際に飲み物などをお接待してもらう。
スーパーのビニール袋にいろんなものが詰め込まれている。
ずっしりと重い。
せっかくのご好意なので、ありがたく頂くことに。
中にトマトなどが入っていたので、軽量化も兼ねて、途中大師堂があったので
お供えしておいた。
さて、横峰寺への登山である。
登りルートは少し遠回りをして西側のルートを選択。
そのルートはほとんど舗装道路であったため、そこまでは楽だった。
横峰寺まで残り2kmで山道となる。
山道に入ったとたん大粒の雨が降り出す。
まるで、僕が来るのを待っていたかのように・・・・。
「何でオレが山に入るときは必ず雨が降るんだよぉ!」
と度重なる不運を嘆いたが、途中で考え方を変える。
そうか!これは修行なんだ!
お大師様(空海)が、「お前はまだまだ修行が足らん!もっと修行せい!」
と試練を与えられているんだ!、と。
たまらずポンチョを装着。
暑い!!
一気にテンションが下がる!
しかもまた道を間違えた。 キョロキョロ、正式ルートを探す。
雨はさらに激しくなる。
「オイ!!!」
と、またイラついてしまった。
これは二十八日目の岩屋寺の山道のデジャヴ!
自分自身ががまだまだ成長していないことを思い知らされ、
大変なときこそ冷静さが必要なんだ、と勉強させられた。
なんとか正式ルートへ戻り、山道を登る。
これが結構大変。
ポンチョを着ているので、すぐに汗だくに・・・・。
雨が降っているので途中で休憩することもできない。(雨宿りするところがない)
休憩無しで山門まで駆け登った。
そんなに登りが長くはなかったので助かりました。
山門の軒下でポンチョとTシャツを脱ぎ、上半身裸で休憩。 涼しい〜!!
しばらく休憩後、お参りし山を下り始める。
下りるにはいくつかのルートがあるが、最短ルートを選択。
このルートは、地図では「崖崩れが起きており注意。強行は死傷・行方不明の恐れ」
と書かれていたが、先行するH沢君のブログを見ると、
「ちゃんと工事されており通れた」
と書かれていたので心配はしていなかった。
そこから登ってくる人もいたので、さらに安心。
雨も小降りになってきている。
快適に下りることができた。
山を下り、香園寺に到着したとき雨が止む。
やはり、お大師様(空海)が修行の機会を与えてくれたんだ、と確信。
香園寺で休憩していると、納経所の人がポストカードをお接待してくれた。
香園寺は子授かりのお寺であったため、出発前にもう一度お参りしておいた。
なんとか頼みます・・・・。
第六十二番札所、六十三札所、六十四札所はそれぞれ近かったので
スタンプラリー状態に。
時間もあるので、入念にお参り。
そして宿泊は「石鎚温泉」に素泊まり。
サウナやジャグジーが充実した浴場施設。
ここで山登りの一日の疲れを癒すのだった。
お参り:第六十番札所、第六十二番札所〜第六十四番札所
横峰寺、宝寿寺、吉祥寺、前神寺
歩いた距離:26km
歩いた時間:9時間
体重:70.0kg(スタート時からマイナス8kg)
お遍路三十四日目『Best friend』
今日は、伊予寒川町を目標に歩く。
距離にして36km。
大学時代の友人、S浦君宅へ宿泊させて戴く予定だ。
平日のため、S浦君の就業時間が終わる17時30分頃を到着予定時刻に。
「石鎚温泉」で朝、もう一度風呂に入り、まったり。
出発の準備をしていると、
紀子さまが男のお子様を出産されたとのニュースが飛び込んできた。
よかったなぁ、男の子で。
これで雅子さまもプレッシャーから解放されるんじゃないかなぁ。
そういや、北海道時代、
馬も牡が生まれたらみんなで大喜びしてたなぁ。(高く売れるので)
それとちょっと似てるかな。
7時前、幸先のいいニュースに気分を良くした僕は、歩き始めるが、外は雨。
朝、風呂に入ったので、湯冷めしないか心配になったが、気にせず歩く。
今日は国道11号線をひたすら突っ走る日。
ただただ愚直に歩き続ける。
雨で外にあまり人がいないのでイベントが発生しにくい。
11時頃、早めの昼食をとるためファミレスへ。
雨に濡れた体を乾かし、ゆっくりできるかなと思っていたが、僕の隣の席の夫婦が喧嘩しはじめた。
どうやら喧嘩の原因は、嫁姑問題らしい。
嫁がめっちゃ激怒してる。
ウチは円満でよかったなぁ。
妻と両親に感謝。
あまりくつろげない環境のため、ファミレスをすぐ出る。
まだ外は雨。
でも、今日は地図を見ないでいいので楽。
14時頃、豪雨となり、完全に開き直った。
「どっからでもかかってこいや!」
と、無敵状態。
だが歩き疲れのため、サンクスに寄り、この旅で初めてホットコーヒーを買う。
寒いので着替えをし、ご好意により店内で休ませていただくことになった。
そのときに店員さんに
「四国はサンクスが多いですね。セブンイレブンはめったに見ないですよね」
と話すと、
「四国はセブンイレブンは上陸してないですから」
と驚きの一言。
えっ、そうだったんだ。
徳島で見たような気がしたが、あれは錯覚だったのか・・・。
とにかく、サンクスの皆様、ありがとうございました!
今日は雨が止むことがない。
再スタートし、なんとか伊予寒川のローソンまで辿り着く。
17時15分、S浦君にメールを打とうとすると、彼から電話がかかってきた。
迎えにきてくれるとのことだが、
「定時であがってくれたんだ・・・。」
と、なんだか申し訳ない気持ちになった。
家では奥さんと2人のお子さんが出迎えてくれた。
女の子と男の子が一人ずつ。
ご主人よりも先に風呂に入れてもらい、一番風呂で極楽気分。
冷えきった体か暖まる。
食事も、地元でとれる上質の肉で焼肉。
最高のもてなしをしてもらった。
おみやげに「ガチャピン お遍路Ver.」と、「キティちゃん 龍馬Ver.」をプレゼント。
娘のあやはちゃんは、キティちゃんを気に入ってくれたようだ。
久しぶりのS浦君との再会。
もう少しゆっくりと話がしたかった。
次の日のために、早く寝なきゃダメなので、なにか充分に話ができなかったように思う。
残念。
とにかく、彼と奥さんには感謝の気持ちでいっぱい。
ありがとうの最上級のことばがあるのなら、それを伝えたい。
僕は、kiroroの歌を口ずさみながら、翌朝力強く歩き始めるのだった。
『あなたの笑顔に何度助けられただろう。
ありがとう。
ありがとう。
Best friend』
お参り:なし
歩いた距離:36km
歩いた時間:8時間半